香港人材が流出・人口12万人減少【9月2日(金)】

香港からの人の流出が深刻さを増しています。


中国への返還前に生まれた香港市民を対象とする英国の特別ビザの申請件数は、制度が始まった2021年1月末から、今年6月までに14万
500件に達しました。


香港政府の2022年6月末の人口は729万人と、1年前に比べて12万人余り減少しています。


遡れる1961年以降で、最大の減少幅でした。


香港政府は、出生率低下に伴う自然減を強調しますが、人口減の主因は1年で11万人に上った海外への純流出です。


人口がピークだった2019年末と比べると、10代以下が9.7万人減、20~30代が23.5万人減、40~50代が8.4万人減少しました。


香港国家安全維持法(国安法)施行に伴い、自由な教育環境を求めて英国やカナダなどに移り住む子育て世帯が目立ちます。


60代以上は18.7万人増え、高齢化に拍車がかかります。


1997年の中国返還前に生まれた香港市民は、英国海外市民(BNO)パスポートを取得できます。


大規模デモが起きた2019年から2021年の発行件数は52万件と、その前の3年間の7.6倍に急増しました。


英国政府は国安法施行を受け、BNO旅券保有者向けに、市民権取得につながる特別ビザを導入し、2021年1月末から受付を開始しました。


特別ビザを利用して、実際に移住した人も多くいます。


香港政府によると、直近の労働力人口は、376万人と3年前から6%近く減りました。


香港からの流出の加え、厳格なコロナ規制で人材流入が細っています。


2022年1~6月の一般就労ビザの承認件数は5,701件と、2019年の7割減となっています。


主要な資産運用会社が加盟する香港投資基金公会は、8月、会員企業の13%が、香港の人員を減らし、35%が機能の一部または全部を他の地域に移したとする調査結果を公表しました。


70%が、香港では、外国人の採用や引き留めが困難だと回答しています。


日本貿易振興機構(ジェトロ)のよる香港の日系企業向けアンケート調査でも、進学期の子どもをかかえた30~40代の中堅社員が退職し、欠員を補充できないなど、人材流出への懸念が相次ぎました。


欧米や他のアジア諸国が、コロナ規制緩和に動く中、香港は、到着後のホテル隔離を続けています。


中国本土や外国との往来が難しく、企業の拠点としての香港の魅力が、損なわれています。

 


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